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ビジネス英語のメールの書き方って、ちょっと難しくないですか?
私は転職した外資系企業で、最初に直面した問題は英語のメールでした。日本の企業にいた時は、メールってどうやって書くんだろう?なんて考えたこともありませんでした。強いて言えば、気にしていたことは先方の役職や名前だけでした。
英語のメールでは、書き出しが「Dear Mr. Jonathan」 なのか「Hello Jonathan」なのかも分からず、1行目の文章を書く前にフリーズしてました。ネットで調べても色々と書いてあって、結局どういうこと?という状態でさっぱりわからずでした。かといって社内の人に「どうやってメール書いたらいいんですか?」などと聞けるはずもなく、簡単なメール1つ書くのに何時間も使ってしまうダメ社員でした。
この記事では外資系企業7社で勤務した私が、当時の私と同じような状況にいる外資系初心者の人が最低限知っておけば苦労せずに済む英語のメールの書き方のコツを教えます。
英語のビジネスメールの書き方を覚えよう

ビジネス英会話は担当する仕事によって必要となる度合いはさまざまですが、英語のメールは外資系に転職した場合は必須です。一度もネイティブと話さない月があっても、一度もメールを書かない月がある、ということはありません。外資に転職すると一部の営業職を除いて誰でも英語のメールを書くことになります。
英語のメールの基本は、読み手にリスペクトの気持ちをもって、短く簡潔に書くということです。そうは言っても、ビジネス英会話も英語メールも上達するのにはそれなりに時間がかかるので、最低限の型を覚えてメールを書くようにしましょう。
中学英語レベルで書ける最低限の英語のメールの型
日本語でも英語でもビジネスメールは簡潔に書くことが大事です。
日本語のメールの場合は、何となく書き出しに「いつもお世話になります」とか結びに「引き続きよろしくお願いいたします」といった要件にあまり関係のない一文を書いてしまいますよね。英語でも似たような表現はありますが、基本的にメールの要件に関係ないことは書かなくても通じます。
メールの最低限の構成要素_ビジネスメールの最低限の型
件名:Requestfor×××
タイトル:Dear×××
要件:Ihopethisemailfindsyouwell.
署名:Bestregads,
×××
- タイトルの例
- Request for [action] → [行動]の依頼
About [subject] → [件名]について
Update on [subject] → [件名]に関する最新情報のお知らせ
Follow-up on [subject] → [件名]のフォローアップ
Confirmation for [subject] → [件名]の確認
Invitation to [event/meeting] → [イベント/会議]への招待
Apology for [issue/mistake] → [問題/ミス]に対する謝罪
Thank you for [subject] → [件名]に対する感謝の意
Inquiry about [subject] → [件名]に関する問い合わせ
Proposal for [idea/project] → [アイデア/プロジェクト]の提案
タイトルについては、Request for [subject] 以外にも About [subject]要件に応じて本文の要件に合う名詞入れてタイトルを完結します。例えば「About New Cosmetic Development」のように本文の内容を表す言葉を入れてタイトル「化粧品の新規開発について」を完結します。
- 宛名は「Dear ×××」の一択
- 最初はDear ×××の一択で大丈夫。これ以外の使い分けは自然と覚えるので、読み手へのリスペクトの気持ちを持って要件を書けるようになりましょう。
- 要件の書き出しには「クッション」になる表現を入れる
- I’d like to suggest that we…→….をすることを提案したいのですが
Would you be open to….→….について相談できますでしょうか?
I’m sorry for the inconvenience. →….ご不便をおかけして申し訳ありません
We kindly request that you… →….していただけると幸いです
Thank you so much for… →….をしていただきありがとうございます
We really appreciate your… →….してくださりありがとうございます
I was wondering if you could… →….していただけないでしょうか?
Would you let us know… →….をお知らせいただけないでしょうか?
要件は、最も重要でかつ難しい部分です。この部分を書くには、これまでの英語力を駆使する必要があります。英語力が不十分な場合でも、読者に対する尊敬を持って文章を書くことが重要です。上記のようなクッション表現が入れられると命令形の文章にならず、リスペクトの気持ちが伝わります。
- 署名は「Best regards ×××」の一択
- 実際には読み手が新規顧客なのか同僚なのかなどによって” Sincerly your, ××× ”や” Thanks, ××× ”など使い分けられる方がよいですが、1年も外資系にいれば自然とできるようになります。
最低限の構成要素で書いた英語のビジネスメールの例
メールの最低限の構成要素は、「タイトル」「宛名」「要件の内容」「署名」だけで英文メールを書くと以下のようになります。
Request for Schedule Change
Dear Steve,
Due to an urgent request from the client, we would like to reschedule the meeting to July 10.
Best regards,
Takashi
スケジュール変更のお願い
スティーブ様
クライアントからの急な依頼により、ミーティングを7月10日に変更させていただきたいと思います。
タカシ
最低限の型で書いた英語のビジネスメールの例
もう少しだけていねいにメールを書きたい場合は、「書き出し」「要件の前置き」「ファイルの添付」「結びの言葉」などの他の項目もメールに取り入れると以下のようになります。
Request for Schedule Change
Dear Steve.
This email finds you well.
I am writing this to inform you about the meeting schedule change of XYZ company.
Due to an urgent request from the client, we would like to reschedule the meeting to July 10.
Would you let us know your availability?
Just for your reference, please find the attached file including client information.
I look forward to hearing from you.
Best regards,
Takashi
スケジュール変更のお願い
スティーブ様
お元気でお過ごしでしょうか?
XYZ社の会議日程変更についてお知らせします。
クライアントからの緊急の要請により、ミーティングを7月10日に変更したいと思います。
ご都合をお聞かせ願えませんでしょうか。
ご参考までに、クライアント情報を含む添付ファイルをご覧ください。
ご連絡をお待ちしております。
タカシ
英語のビジネスメールは伝えたいことをシンプルに書く

最低限のビジネスメールの書き方が理解出来たら、次にビジネスメールで意識することは相手に伝えたいことをシンプルにまとめることが大切です。伝えたいことをシンプルにまとめることで、相手に伝える情報が明確になります。また、メールの件名にも伝えたいことを簡潔にまとめるようにしましょう。
長文を書かずに要件を効果的にまとめる方法
ビジネスメールでよくあるミスの一つに、長文を書きすぎることがあります。相手に伝えたいことをまとめるために、長文になってしまうこともあるでしょうが、相手にとっては読みにくいものになってしまいます。そこで、以下の方法で簡潔に書けるようになりましょう。
要件を効果的にまとめる方法
メールの最初に伝えたいことを要約する
箇条書きで伝えたいことをまとめる
不要な情報は省く
要件を効果的にまとめたビジネスメールの例
Subject: Sales Report
Dear Ms. Johnson,
I hope this email finds you well. I would like to update you on our sales report for the first quarter of the year. The key points are as follows:
Total sales: $500,000
Increase in sales compared to last quarter: 10%
Top selling products: Product A, Product B, and Product C
Sales forecast for the second quarter
Please find the detailed report attached. If you have any questions or concerns, please do not hesitate to contact me.
Best regards,
John
このように、箇条書きでまとめることで効果的に伝えることができます。また、メールの最初に要約することで、相手に伝えたいことを明確に伝えることができます。不要な情報は省くことで、相手にとって読みやすいメールにすることができます。
ビジネスメールの重要な情報を伝えるための具体的な方法
ビジネスメールで伝えたいことは、明確かつ正確に伝えることが重要です。相手に伝えたい情報を明確に伝えるために、以下のポイントに注意しましょう。
- タイトルを明確にする:メールのタイトルには、重要な情報を簡潔にまとめて記載することが重要です。例えば、「ImportantUpdate:ChangestoMeetingSchedule」など、具体的な内容を示すタイトルをつけることが望ましいです。
- 具体的な情報を伝える:メール本文には、重要な情報を明確に伝えるようにしましょう。具体的には、日時、場所、参加者などの情報を含めることが望ましいです。また、その情報に関する質問がある場合は、明確にそれを示し、回答を求めるようにしましょう。
- 追加の情報を提供する:メール本文に、重要な情報を補足するためのリンクや添付ファイルなどを提供することが望ましいです。これにより、受信者がより深く理解し、必要な情報を手軽にアクセスできるようになります。
「重要なアップデートの通知」という英文ビジネスメール
Subject: Important Update: Changes to Meeting Schedule
Dear Team,
I wanted to inform you of some changes to our meeting schedule that will be taking place over the next few weeks. Please note the following updates:
The Monday team meeting has been moved to Tuesday at 10:00 AM.
The Wednesday sales meeting has been canceled for this week.
The Friday all-staff meeting will now be held in the conference room on the 5th floor.
If you have any questions or concerns regarding these changes, please do not hesitate to contact me. Thank you for your understanding.
Best regards,
John Smith
ビジネス英語メールを効果的に書くためには、伝えたいことをシンプルにまとめること、長文を書かずに伝えたいことを効果的にまとめること、ビジネスメールの重要な情報を伝えるための具体的な方法に注意することが重要です。これらのポイントを抑えて、正確かつ明確に伝えることができるビジネス英語メールを書くことができます。
英語のビジネスメールが上達するコツ

ネイティブの英文メールを使ってみる
英文メールを上達させるコツは、ネイティブの上手な文章を覚えて実際に自分のメールでも使ってみることです。外資系に入社して1か月もすれば、かなりの数のネイティブのメールを見ることになります。
会社にもなれてきた2か月目らかは、「ネイティブのメールでこの表現は使える!」という表現をwordでも構わないのでストックして自分でも使ってみることです。但し、コピペは厳禁です。自分で文章を何度も書いて
ネイティブの表現を自分のものにしましょう。そうすることで実はビジネス英会話にも好影響がでます。自然とビジネスメールで書いていた表現のうち、会話でも使える表現や言い回しが使えるようになります。
注意点が1つだけあります。それは、英語が上手そうな日本人のメールをストックする時は注意しましょう。日本人の英文メールをおすすめしないのは、日本語よりも英語の方が上手な日本人以外は、私の実体験でも説明したようにネイティブからするとおかしな表現を使ってしまっていることもあるからです。
英文メールを書くときには、いくつかのコツがあります。まずは、シンプルな表現を心がけましょう。冗長な表現や専門用語は避け、簡潔でわかりやすい文章を心がけることが大切です。また、丁寧な言葉遣いも忘れずに。挨拶や結びの言葉をきちんと使い、相手に好印象を与えるようにしましょう。
間違いやすい英語表現のリストと正しい使い方の例
ビジネス英語メールを書く上で、間違いやすい英語表現がいくつかあります。以下にいくつかの例を挙げてみましょう。
間違いやすい表現に注意
(誤)I’m looking forward to hear from you.→(正)I’m looking forward to hearing from you.
(誤)Please advice me.→(正)Please advise me.(正)
(誤)I will revert you soon.→(正)I will get back to you soon.
ビジネスメールでよく使われる英単語とフレーズのリスト
ビジネスメールでよく使われる英単語やフレーズにも慣れておくことが大切です。以下にいくつかの例を挙げてみましょう。
- Regarding:~に関して
- Attached:添付した
- Pleaseletmeknow:教えてください
- Followup:追跡する、フォローアップする
- Actionrequired:行動が必要です
- Asperourconversation:私たちの会話の通り
- Thankyouforyourunderstanding:ご理解いただきありがとうございます
- Weapologizeforanyinconvenience:ご不便をおかけして申し訳ありません
英語のビジネスメールの基本ルールを押さえよう

英文ビジネスメールの基本ルールを押さえるとメールは簡単になります。英文メールの件名の書き方やビジネスメールで避けるべきNGワードやよく使われる略語を覚えましょう。
英文電子メールの件名の書き方のルール
英文電子メールの件名の書き方に関するルールは以下の通りです。
- 短く明確にする:件名はできるだけ短く、明確な内容を示すようにすることが重要です。相手が一目で内容を理解できるようにしましょう。
- 適切な単語を使用する:件名には、そのメールの主要な内容を示す単語を使用することが望ましいです。たとえば、会議の招待状であれば、「Invitationtomeeting」のように、明確な単語を選びます。
- メールの目的を反映させる:商品の購入に関するメールであれば、「Purchaseorderfor(商品名)」のように、目的を明確に示すことが重要です。
- 複数のトピックを含む場合:区切り文字を使用する:場合によっては、複数のトピックを含むメールを送る場合は、区切り文字(コロン、セミコロンなど)を使用して、複数のトピックを明確に区別しましょう。
- 重要性を示す:件名に重要度を示す単語を加えることで、受信者に緊急性を伝えることができます。たとえば、「Urgent」や「Important」といった単語を使用することがあります。
- Invitation:Ourcompany’sannualpartyonSaturday,June15thInquiry:ProductlineavailabilityforQ3Proposal:NewbusinessventureforpartnershipConfirmation:MeetingonMonday,June10that2pmUrgent:Paymentoverdueoninvoice#12345
英文ビジネスメールで避けるべきNGワードとその代替表現の例
英文ビジネスメールでは、避けるべきNGワードがあります。これらの表現は、相手に不快な印象を与えたり、信頼性を損ねたりすることがあります。代替表現を使うことで、より正確かつ丁寧な表現になります。以下はNGワードと代替表現の例です。
- NG:Sorryforthedelay.→代替表現:Thankyouforyourpatience.
- NG:Ican’tdothat.→代替表現:Unfortunately,thatisnotpossible.
- NG:That’snotmyjob.→代替表現:Iwouldbehappytodirectyoutotheappropriateperson.
- NG:Idon’thavetimeforthis.→代替表現:I’mcurrentlyunavailable,butIcangetbacktoyouby…
- NG:Idon’tknow.→代替表現:Iwilllookintothisandgetbacktoyouassoonaspossible.
英文ビジネスメールで使われる略語とその意味
英文ビジネスメールでは、略語がよく使われます。略語を理解することで、メールのやり取りがスムーズになります。代表的な略語とその意味を以下に示します。
- ASAP:AsSoonAsPossible(できるだけ早く)
- FYI:ForYourInformation(ご参考までに)
- EOD:EndOfDay(本日中に)
- ETA:EstimatedTimeofArrival(到着予定時刻)
- TBD:ToBeDetermined(未定)
- RSVP:Répondezs’ilvousplaît(ご返信をお願いします)
読み手へのリスペクトの気持ちがあれば最初は間違いだらけでOK

「間違いだらけでOK」と言うと「そんなので大丈夫?」と聞かれますが、大丈夫です。
日本人の書く英語のビジネスメールなんて間違いを探し出したらいくらでもあります。大事なことは最低限のメールの型を覚えて、読み手へのリスペクトの気持ちを持ってメールを書くことです。ごくごくまれに「彼のメールには間違いが1つもないね」って言われる人もいます。逆に言うと全員多かれ少なかれ文法的な間違えや表現方法が適切でない文章があるということです。最初のうちは慣れが必要なので、細かいところはあまり気にせず、要件が伝わる完結なメールを書くことを心がけましょう。
メールを書く上で一番大事なことはリスペクトなので、相手視点でのメールを書けるようになりましょう。
「明日、会社に来てほしい」という要件の場合、リスペクトの気持ちがあると①→③の順番で変わっていくと思います。
- Cometomyofficetomorrow.
Pleasecometomyofficetomorrow. Wouldyoucometomyofficetomorrow?
もう一つ大事なことは動詞によっては、Please や Would you との組み合わせが良くない動詞の場合は使い方に注意する必要があります。例えば「expect」の使い方は気を付けた方がいいです。
「明日、来社してください」を少していねいに書いたつもりで、以下のような文章を書いてしまう人もいるので注意してください。丁寧に書いたつもりで、かなり上からの文章になっています。
Iexpect thatyouwillcometoourofficetomorrow.
Please come to my office tomorrow よりも少しいい感じがするかもしれませんが、実際は「I expect」 だと私が期待しているので「明日、あなたは当然ですが私の会社に来てください」というニュアンスがでてしまいます。
ここでは自分目線なのか相手目線なのかの話なので、「Expect」を動詞として使ってはいけませんということではありません。この文章のExpectの使い方だと自分目線になっています。自分にPlease やWould youはつけられずリスペクトの気持ちをクッションとしてのせることができません。
帰国子女でも間違った英文のメールを書いてしまう

私が勤務していた外資系企業の実体験です。
1人目は40代の帰国子女(シンガポールの高校卒業)で部長でした。シンガポールの人の英語をよくシングリッシュといって揶揄されますが、彼のメールを見る度にネイティブが見るとどう思うのか疑問でした。
2人目は30代前半の帰国子女(米国の小学校で数年)の社員。彼のメールはあまりに簡単な単語だけで書いていたので、子供っぽい文章だなぁと思っていました。
そこで、英語学校のイギリス人の先生に2人のメールを見せて、感想を聞いてみました。
シンガポール育ちの部長のメールは「このメールは。。。彼は本当に海外で育ったの?」と苦笑いしてました。一方で米国の帰国子女の社員のメールは「うん、彼のメールには別におかしなところは何処にもない」でした。
この2人の事例から、帰国子女で普段ネイティブっぽくしゃべっている人でも文章がいまいちな人がいる。中学生レベルの英単語でもネイティブに問題がないと思ってもらえる文章は書けている。
私の結論は、英語のメールは間違いが沢山あっても全然大丈夫。無理して難しい単語や表現を最初から使う必要はない。但し、ネイティブにとっては不快な言い回しもあるので、メールを書く時の心持としては少なくともリスペクトの気持をもつことが大事です。
正しいビジネスメールが日本語でも書けないのに、なぜか英語のビジネスメールだと書き出しから内容まで正しい表現なのか過剰に気にしてしまいがちです。実際、外資に初めて転職した当時の私もそうでした。TOEICの読解のセクションで出てくるビジネスメール以外、あまり実務で英語のメールを読む機会もなく海外にメールを書くこともほとんどありませんでした。
まとめ
- 最初に英文のメールの型を覚える
- 読み手へのリスペクトの気持ちを忘れない
- 間違っても良いのでどんどんメールを書く
- 日本人の英文メールには間違いがあるので注意
- ネイティブの上手な英文メールを真似て再現する