【図解付き】社会人が実践すべき自己分析の具体的なやり方

2025.01.19更新

転職したいけど、「どんな職場が自分に合っているのか分からない」、「なんとなく転職活動をしてしまって、後悔している」そんな不安や後悔はありませんか？

実は、転職活動では自己分析が何よりも重要です。キャリアアップや今よりも満足度の高い仕事を手に入れたいならなおさらです。

営業するのに商品の内容を理解せずに販売するのはかなり難しいと思います。

でも、自己分析をしない人は、転職活動で唯一の商品「自分」を理解しないで転職を成功させようとしているようなものです。

この記事では、学生と違って時間がない社会人が自己分析を行い、最適な職場を見つけるための方法とポイントを詳しく解説します。

この記事を読み終わると、自分自身の強みや価値観を理解し、後悔しないで転職活動を行うために必要な思考を自己分析を通してできるようになります。

社会人に自己分析が必須な理由

転職でより良い労働環境を手に入れたい社会人にとって、自己分析は避けて通れないプロセスです。自己の能力、スキル、適性を把握することで、キャリアプランの最適化が可能となります。

自己分析もしないで転職活動するのはリスク

自己分析もせずに転職活動を進めのは、せっかくの自分のキャリア形成にとってリスクでしかありません。

自己分析を行わないまま転職活動を進めると、これまでの業務の延長で仕事を探すことになり、本当に自分に合った仕事や企業を選ぶことが難しくなります。自分が本当にしたいこと、したくないこと、自身の強みや弱みを整理しないでいると、結果として自分に合わない仕事や役職に就くことになり、せっかく転職できても同じようなストレスを感じることになります。

例えば、本来は営業企画の専門家になりたいと思っているのに、現在の会社でリーダー的な仕事を任されているため、管理職に応募してしまうとします。もし管理能力が低いと、プロジェクトの進行管理がうまくできず、チーム全体のパフォーマンスも低下してしまいます。

私はこれまで多くの候補者と面談してきましたが、自己分析をせずに面接に来た人で自己PRが上手な人には出会ったことがありません。履歴書や職務経歴書が他の候補者と同じような内容の場合、自分の強みや本当にやりたいことを具体的に伝えられない人は、どうしても他の候補者より評価が低くなってしまいます。

自己分析が不十分なまま転職すると、残念ながら自分に合わない職場や業務に直面する可能性が高まります。その結果、あなたのモチベーションは低下し、仕事のパフォーマンスも悪化します。自己分析を行わないまま転職すると転職後に後悔することも少なくありません。

総じて、自己分析をしない転職活動は、職場適応やキャリアの安定において大きなリスクを伴います。自己分析を通じて、自分の適性や目標を明確にし、戦略的に転職活動を進めることが重要です。

自己分析で自分の特性と強味を認識するのは必須

自己分析ツールを使う前に、自分自身で客観的に自己分析を行うことで、頭の整理ができます。分析する項目は今の自分が思いつく簡単なもので構わないので、マトリックスを作って考えを整理してみましょう。

横軸と縦軸だけの簡単な表を使った自己分析の進め方

右上にあるものは転職の成功確率が高い

左下にあるものは転職の成功確率が低い

横軸：右に行くほど「好きな業務」、左に行くほど「嫌いな業務」
縦軸：上に行くほど「実績のある仕事」、下に行くほど「実績のない仕事」

自分のこれまで経験した仕事と、挑戦したい仕事（商品企画リーダー）を表に書き込んでみると、営業部長として経験があるので、リーダーとしての実績がある。営業として商品開発のチームと業務上関わってきた経験があり、データ分析の実績も有益です。

不足している経験は、現職で商品企画とのかかわりを増やすか、部長でなく商品企画の一員として他社へ転職することで、商品企画リーダーへのキャリアチェンジが見えてきます。

自己分析で長所と短所を客観視する

どんなに優秀な人でも、社会人経験が少ない人でも自分の中での長所と短所はあります。

自己分析では、長所だけでなく短所も認識することが大事です。自分の弱点や改善が必要な点を把握することで、自分に合った転職活動をしたり、転職のために必用な具体的なスキルアップ計画を立てることができます。

長所の活用
例えば、あなたが人と話をするのが好きでコミュニケーションスキルが高いと思えるなら、その強みを活かせる職種を選ぶべきです。営業やカスタマーサービスのような職種では、コミュニケーション能力が非常に重要です。

短所の改善
一方、自分の弱点を認識することで、自分に合っていない転職を避けることができます。また、短所を認識することで具体的な改善策を講じることができます。

例えば、「プレゼンテーションスキルが不足している」と気づけば、営業になりたいと思っていても、プレゼンスキルが必須の営業職への転職は回避するか、プレゼンスキルを磨くためのセミナーやトレーニングを受けることを検討できます。

このように自分の長所と短所を理解することで、転職活動で失敗を回避し、より自分に合った転職先をみつけやすくなります。

自己分析は転職を成功させるコンパス

自己分析は、社会人にとって自己成長とキャリア形成を支える重要です。客観的に自己評価を行うことで目標設定や転職の方向性が定まり、仕事だけでなく人生全体における満足感をもたらします。

転職を成功させるには方向性を見極めるコンパスが必要

転職活動において自己分析は、転職活動を正しい方向性に導いてくれるコンパスです。

転職活動で自己分析を行う際に優先すべき項目

キャリア目標 – 自分の短期・長期のキャリア目標と現状の分析
スキルセット – 現在持っているスキルと転職先で必要とされるスキル
強みと弱み – 自分の強みを最大限に活かし、弱みを改善する方法を検討
価値観 – 個人的に重視している価値観が新しい職場にどの程度一致しているか
過去の成果 – 過去の職務上の具体的な成果や成功事例
仕事への情熱 – 自分がどの業界や職種に情熱を感じるか
学習意欲 – 新しい技術への関心や必用な知識を学ぶ意欲
対人能力 – チーム内でのコミュニケーション力や対外的な交渉能力
ストレス耐性– 自分が苦手なストレスと他人との相対比較での耐性
ライフワークバランス – どの程度バランスを取りたいか

上記のような項目で自己分析することで、自分の価値観や人生観を理解し、自分に合った働き方や企業を見極められるようになります。キャリア目標や、長所や短所等を客観的に分析することで、転職活動の方向性が明確になります。

仕事のミスマッチを回避してモチベーションを高める

自己分析を行い自分に合った仕事を具体的にイメージできるようになることで、転職でのミスマッチを回避し、キャリアを着実に構築していけるようになります。

転職をしてキャリアチェンジしようとする場合は、自分のスキル、興味、価値観が転職先の仕事内容や企業文化とどれだけ合致しているかをしっかりと評価することが重要です。

もし、自分の価値観やスキルが転職先の企業文化や必用な能力に一致していない場合、仕事への興味や満足度は低下し、転職前に抱いていた期待が失望に変わってしまう可能性があります。

一方、適性に合った職業に就くことができれば、仕事への情熱が自然と高まり、その熱意は優れた業務成果へと繋がり、自分の成長だけでなく、チームや組織全体の生産性向上にも貢献することができます。

定期的に自己のキャリアの見直しを行い、自己分析を行うことで、変化する業界の動向や自身のキャリアプランに合わせたスキルアップが可能になります。

自己分析のツールとサポートの活用

自己分析は自己理解を深め、適職を見つけるための重要なステップです。効果的なツールの活用やキャリアコーチングが役立つ方法を解説します。

キャリアコーチングを利用する

キャリアコーチングは専門家と一緒に自分自身を見つめ、キャリアの悩みや目標を明らかにする手助けをしてくれます。コーチとの対話を通じて、自己分析の結果を元に具体的なアクションプランを立てることが可能です。

コーチングセッションでは通常、現在の状況、将来の目標、達成するための障害といったトピックが議論されます。また、コーチは目標達成に向けてのモチベーション維持方法や時間管理技術など、プロフェッショナルなアドバイスを提供します。これにより、目標達成の道筋がクリアになります。

自己分析で自分に最適な職場を絞り込む

転職活動の目的は、自分に合った職場を見つけることです。モチベーションの維持やストレス管理の面でも、自分に適した職場環境は欠かせません。自己分析とリサーチで最適な業界や仕事を絞り込みましょう。

自分の興味や強みに合った業界や仕事を選ぶ

自分で行った自己分析やCAREER INDEXが提供する適職診断の結果などを参考にして、業界や仕事をある程度まで絞り込めたら、最適な職場を見つけるために、もう一度、自分の価値観、性格、強み、関心事などを冷静に分析しましょう。

自分の価値観：家族、収入、成長機会のどれを重視するか
自分の長所：コミュニケーション力、分析力、創造力など
自分の短所：改善する必要がある点を認識する
興味のある仕事：営業、マーケティング、エンジニアリングなど

自分の中での優先順位や客観的に自分を見つめ直すことで、自分に合った仕事や環境がよりはっきりとわかるはずです。自己分析には少し時間がかかりますが、これから転職してその企業で過ごす時間を考えたら大した時間ではないので、必ずやりましょう。

企業の雰囲気、文化、評判をリサーチ

自分が転職したい企業については、徹底的にリサーチを行う必要があります。業種、業績、福利厚生といった基本情報はもちろんのこと、企業の雰囲気、文化、社内の評判についても見逃してはいけません。

企業ウェブサイトやSNSから企業情報を収集するのは最低限必要ですが、以下の２つの方法は企業の実態を把握するのにとても有効です。

口コミサイトに登録して転職検討中企業の社員レビューを確認
転職検討中の企業の社員が登壇するセミナーやイベントに参加

現役社員の生の声を直接聞くことは非常に重要です。その企業の活動の実態や課題などが見えるだけでなく、有給休暇の取得状況、残業時間、ワークライフバランスなど、実際の社内の雰囲気を確認できます。

自分の価値観や長所、関心事と合致する企業を見つけることができれば、高いモチベーションを持って働くことができるでしょう。焦らずじっくりと探すことが大切です。

自己分析を職務経歴書に反映させて面接準備

転職活動で重要なのは、入念な自己分析を行い、自身の強み・経験・能力を正しく理解した上で、その長所を最大限にアピールできるように的確に職務経歴書に落とし込み、面接でも確実に伝えられるよう準備することです。

職務経歴書に自分の魅力を具体的に示すコツ

職務経歴書は自分を企業に印象付ける最初の機会です。自分の強みを効果的に職務経歴書に落とし込むことがポイントとなります。

・自己分析で見つけた長所(コミュニケーション力、プレゼン力など)を記載
・長所を証明する事果(毎月30人以上のセミナーの講師を2年間継続など)を記載
・過去の実績や成果(売上200%アップ、コスト30%削減など)を数値で示す
・業界の専門用語を活用しどういうプロセスで成果を残したかを具体的に説明する

このように、説得力のある事例を数値を使いながら自分の実績やスキルを具体的に表現することで、自己分析を活かした魅力的な職務経歴書を作成できるようになります。

職務経歴の書き方のコツ

職務経歴書は、読み手にあなたの能力を効果的に伝えるために、以下のコツを意識して書きましょう。

職務経歴書の書き方のコツ

1. 経歴を逆年代順（最新の会社が1番上）に記載

2. 役職やプロジェクト名だけでなく具体的な成果を数値で記載

3. 業界の専門用語やキーワードを意識

4. 太字や箇条書きを活用

職務経歴書の書き方が気になる方は、こちらの記事も【書類選考を突破！】落ちない職務経歴書は企業ニーズに合致するスキルと経験　参考にしてください。

面接で差をつける「職務経歴書に基づいた」自己PR

面接で自己PRが上手にできるようになると、転職が成功する確率が上がります。

以下の手順で面接での自己PRを効果的に伝える方法を研究してください。

困難を乗り越えた経験で問題解決能力をアピール: ・過去に経験した「困難や課題」とそれを「どのように乗り越えたか」の具体例を示す
・課題解決に対する行動を説明し論理的思考力や実行力をアピールできます
・困難を乗り越えた結果を数字や客観的な指標で改善度を示す

企業研究で熱意と理解度をアピール

・企業理念や事業内容、求める人物像などを事前にしっかりと理解する
・自己PRの内容を企業研究に基づいて調整するし熱意と理解度をアピール

面接は不適切なNGワードを使用してしまう人多いので、面接での回答が不安な人はこちらの【面接での最大のリスク】NGワード使用で全てが台無しになる可能性も！　もご参考にどうぞ。

まとめ：社会人こそ自己分析

自己分析は転職活動の成功に欠かせないプロセスです。自分の強みや価値観を把握することで、転職先を見つけやすくなり、転職後の後悔を防ぐことができます。自己分析を怠ると、自分に合わない仕事や職場を選んでしまい、転職後にストレスを感じたり、モチベーションが低下するリスクが高まります。

自己分析で得られるメリットは多岐にわたります。適性に合った仕事や職場を見つけやすくなるだけでなく、自分の強みと弱みを把握することで、キャリアプランを最適化できます。これにより、採用担当者に対しても説得力のあるアピールができるようになります。

職務経歴書には、自己分析の結果を具体的に反映させることが重要です。自分の強みを証明する成果を数値で示すことで、職務経歴書の説得力を高めることができます。また、具体的な成果や業界の専門用語を使用することで、読み手に自分の能力を効果的に伝えることができます。

自己分析を通じて自分に最適な職場を見つけ、後悔しない転職活動を成功させましょう。