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私は今も企業で採用をしている側ですが、「言っちゃったよ、それってNGワードだよ」と心の中で思うことがよくあります。「面接では素直に話すこと」って誰かにアドバイスでもされているのかと思ってしまいます。転職の面接では、社会人なので本音は本音、建前は建前として使い分けられるといいですね。
転職の面接では、あなたが思っている以上に言葉選びが評価を左右します。これは、自分のスキルや適性を正確に伝えるだけでなく、自分の態度や価値観を示す重要な手段となるからです。その中でも、「NGワード」と呼ばれる一連の言葉は特に注意が必要です。これらの言葉を使用すると、面接官に対して不適切な印象を与え、評価を下げる可能性があります。
本記事では、外資系7社に転職し現在も採用活動を行っている筆者が、具体的なNGワードとそれを避けるための戦略について詳しく解説します。
面接でのNGワードを避けつつ誠実さを示す方法

面接では、自分を表現するだけでなく、企業のニーズや面接官の期待を理解することが重要です。正直に全てを話すことが真摯な姿勢ではありません。面接はあくまでも建前で話すことが重要です。
面接でNGワードを使わず成功する人は?
面接で成功するためには、自己理解と共に、企業が何を求めているかを深く把握することが不可欠です。面接官に「この人材は我々の求めるプロファイルに合致する」と感じてもらえるよう、自分の経歴やスキル、そして人間性を適切に伝えることが重要です。
企業は誠実さや信頼性を重視します。情熱的に自分をアピールすることも大切ですが、相手の条件や好みにも配慮する必要があります。一方的な自己PRだけではなく、企業側の視点に立った表現が求められます。
ネガティブな表現や愚痴などは避け、常に前向きでポジティブな言葉遣いを心がける。こういう人は、明るく元気な印象を与え、面接官に好印象を与えることができます。
面接では建前と本音のバランスを戦略的にとる
面接では、建前と本音のバランスが非常に重要です。企業が求める人物像を理解し、それに応じた自己表現を心がける必要があります。しかし、全てを建前で通すのではなく、本音を適切に表現することも大切です。
自己PRでは、自分の強みや経験を誠実に伝えることが求められます。面接官は、候補者の能力だけでなく、チームにおける適合性や社交性も評価します。礼儀正しく、かつ自分らしさを大切にすることが、面接成功への鍵となります。
企業理念への共感を示しながらも、自身のビジョンやキャリアプランを明確に伝える。企業と自身の目標が一致していることをアピールすることで、熱意と誠実さを同時に示すことができる。面接で落ち着いて対応するために【転職面接ガイド】頭が真っ白にならない方法からNGワード対策までの記事も参考にしてください。
面接でNGワードを使うと面接に落ちる可能性

面接でのNGワードの大多数は、「自己中心的な表現」や「否定的な言葉」です。これらの言葉を面接で使ってしまうと、あなたが自己中心的であるとか、否定的な思考を普段からもっているという印象を面接官に与えてしまいます。
NGワードによる不合格の可能性
面接はあなたの人間性や考え方も評価される重要な場です。言葉遣いが不適切だと、面接官はあなたを正しく理解できず、不合格となる可能性があります。
自己中心的な表現を使ってしまう人は、自分の能力や経験を過剰に強調し、例えば「私が一人でこのプロジェクトを全てやり遂げました」といった発言を気づかないうちにしています。企業が望んでいる人材は独り善がりの人材ではなく、会社のカルチャーにフィットしチーム内のメンバーと上手に協業できる人間かという点を見ています。
否定的な言葉は、問題解決能力や前向きな姿勢に欠けている印象を与えます。面接官からの質問に対して、自分にとっては無理難題な質問だと感じても極端な回答、「それは無理です」というストレートな発言は避けた方が無難。困難を乗り越える意欲が低いと受け取られ、ポジティブな思考や問題解決能力が低いと思われてしまいます。
面接では自分が不利になるNGワードを使わないように注意し、ポジティブな姿勢や協調性をアピールできるように心掛けましょう。次に具体的なNGワードについて解説します。
具体的な面接NGワード一覧

まずは、具体的なNGワードと、それが問題になる理由について見ていきましょう。以下の言葉は、一見すると無害に思えるかもしれませんが、面接官にとってはあなたの意識や姿勢を問う重要な指標となります。知らず知らずに使ってしまうNGワードを理解し、なぜそれが問題なのかを深く理解することが大切です。
志望動機
- 「給料が高いから」「通勤が便利だから」
- 志望動機が仮に「給与が高いから」というのが本心だったとしても面接ではこうした発言は避けるべきです。面接官は給与がもっと高い会社があれば、個人的な利益を重視して直ぐに転職してしまう人としてあなたを見る可能性があります。
企業が求める人材は、会社の業務内容やビジョンを理解して仕事に対して真剣に取り組んでもらえる長く働いてもらえる人材です。会社に貢献してくれる人材であれば、入社後の待遇やタイトルも上がる可能性があるので、目先のベネフィットだけにとらわれないようにしましょう。
仕事内容
- 「よく分かりません」「その仕事はやったことがありません」
- こうした発言は正直に質問に対して回答しているのかもしれませんが、応募した企業や仕事について事前に何も調べていないとみなされる可能性があります。
面接官は、あなたがその仕事に対する意欲や適性を持っていることを期待しています。質問された内容について直接の業務経験がなくても、例えば「現職で協業する部門の人がその業務を担当しているので、入社までに理解を深めておきます」など前向きな発言に切り替えるようにしましょう。
待遇面について
- 「休みは週何日?有給休暇は?」「ボーナスはどれくらい出ますか」
- 初めての面接でこのような質問をすると、面接官に「仕事よりも休暇を考えている」「仕事そのものよりも給与が重要」という印象を与える可能性があり、業務委託で優秀な人に仕事をお願いした方がよいのでは?と思われてしまいます。
休暇やボーナスの話を最初からすると、自己PRが上手くても業務に対する意欲が低く、個人の利益を優先しワークライフバランスを重視する人と見られます。企業は仕事を遂行できる能力やスキルを備え仕事に対する情熱を持っている候補者を探しています。
勤務形態
- 「在宅勤務は何日?」「遅刻しても大丈夫?」「残業はどれくらい?」
- こうした言葉を直ぐに使ってしまう人も要注意です。コロナ禍で在宅勤務が増えたとはいうものの、在宅で業務を着実にこなしていける人材かの判断をしてもらう前に、こうした質問をするのは避けた方がいい。遅刻や病欠の日数を最初から聞く人もいますが、仕事に対する責任感が低いと見られる可能性もあります。
遅刻、病欠、残業について聞く場合には、面接官が納得できる質問の仕方、例えば「小さい子供の保育園への送迎で時間がギリギリになる可能性があるので。。。」などに置き換えましょう。
退職理由
- 「上司のパワハラ」「職場の人間関係」
- 私も過去に社長のパワハラが酷く、頼みの人事も社長を擁護するだけ、という経験があります。やむを得ず転職した経験があるので、本音を言いたくなる気持ちはとてもよくわかりますが、面接官からすると「あなたが対人関係で問題を抱える可能性がある」と思われる可能性があります。
「上司のパワハラ」や「職場の人間関係」の問題は面接の場で話す内容というよりも、今いる職場で相談し解決する問題なのです。面接の場で退職理由として持ち出すのは、あなたが確実に損することになります。建前でも良いので、自分が成長のために新たな環境を求めたというような表現が適切です。
給与交渉編
- 「最低でもこの金額は欲しい」
- 面接官、特に一緒に働く同僚との面談では、高圧的な印象を与え、不快にさせる可能性があります。給与については、最終面接や内定した時点で具体的に話し合うことが一般的です。その際には、あなたのこれまでの経験や現職の給与水準、市場価値を理解し、公平な報酬を要求することが大切です。
職場環境編
- 「残業はどれくらいありますか?」「仕事の量は多いのでしょうか?」
- このような質問をすると、面接官はあなたが積極的に新しい会社で仕事を早く覚えて会社に貢献しようとする姿勢が欠如していると思われます。
仕事の量や難易度については、例えば「皆さん普段は何時ぐらいに帰られていますか?」「季節的に業務が多忙な時期などありますか?」という形で質問に変えて、実際の残業などを推測できるようにしましょう。
3年後 5年後 10年後 キャリアプラン
- 「あまり先のことは考えていません」
- 質問の回答には一つの正解はありませんが、面接官が求めている意図を理解することが大切です。採用企業は、入社後のあなたの成長と企業への貢献を知りたいのです。そのため、「特に考えていません」という回答は避けるべきです。
自分自身のキャリアパスを考え、将来の展望や目標を持つことが重要です。将来の自身のキャリアパスを考え成長と発展を追求し、企業と共に成長する意欲を示すことが期待されます。具体的なキャリアプランを考え、それに向けて努力する意思を明確に示しましょう。
面接でNGワードを回避するために

面接でのNGワードの理解と対策
面接を成功させるためには、NGワードを理解して対策をとる必要があります。次のステップで考えると整理がしやすいと思います。
- 転職でのNGワードを把握
- 自己中心的な表現や否定的発言は全て注意
- 自分のセールスポイントをまとめる
- NGワードを使っても修正できるようになる
転職面接におけるNGワードを理解し、それを避けることが求められます。たとえば、否定的な表現や極端な自己評価、元の職場に対する不満などは避けましょう。「自分は経験が浅いから…」や「前の職場は人間関係が悪かった…」といった発言は避けるべきです。自分の強みや経験を明確に表現し、あなた自身が企業にとって価値ある存在であることを伝えることが大切です。
面接ではあなたのコミュニケーションスキルや思考力、問題解決能力など、さまざまな要素が評価されます。そのため、言葉選びだけでなく、全体的な態度や振る舞いにも注意を払うことが必要です。
転職面接でのNGワードをどれくらい把握している?
実際にどれほど面接でのNGワードを理解し、それを避けているかは個々によります。例えば、「お金のために仕事をしている」や「やりがいが感じられない」などの表現は避けるべきです。これらの表現は面接官に対してあなたが仕事に対する情熱や目標を持っていないと誤解されかねません。適切な言葉選びは、面接での成功に大いに寄与します。
面接を成功させるための心構え
成功的な面接には、自分自身を深く理解し、自信を持つことが求められます。あなたのキャリアの流れ、スキル、達成したこと、学んだことを具体的に伝えられるようにしましょう。また、自分の意見や視点をはっきりと述べることも重要なポイントとなります。企業があなたに求めているものは何か、その企業で何を達成したいのか、など自分の意見や目標を明確にすることが大切です。
面接での自己PRのポイント
自己PRの際には、具体的なエピソードを通じてあなたの能力や経験を伝えることが重要です。例えば、過去のプロジェクトでリーダーシップを発揮した状況、困難を乗り越えた経験などを具体的に伝えましょう。それにより、面接官に対してあなたの人間性や働く姿勢を具体的に示すことができます。また、面接はあなたがその企業で働く様子を想像させる機会でもあります。そのため、自己紹介や志望動機、経験やスキルについて語る際には、具体性と説得力を持たせることが求められます。
もしNGワードを面接で使ってしまったら?
もしNGワードを使ってしまった場合でも、その場で訂正することで印象を改善することが可能です。例えば、「私はその分野での実務経験はないですが、好奇心は高く学習意欲は高いので、新しいことに挑戦したい気持ちは人よりも強い方なので、頑張らせてください」というように、否定的な表現をプラスの表現に変えることが必要です。また、それを学びとして、次回の面接で同じ過ちを繰り返さないようにしましょう。
まとめ
・面接は建前。全てを正直に話すことが正しいとは限らない。
・採用する企業や面接官の視点を考えることが重要。
・面接では、「NGワード」を無意識に使う人が多い。
・転職活動では、スキルや経歴だけでなく人間性も考慮される。
・面接前にNGワードを理解しそれを避けることが重要。
・「自己中心的な表現」や「否定的な言葉」はNGワード。
・否定的な言葉は避け、問題解決能力や前向きな姿勢を示す言葉を選ぶ。