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転職を考えているけれど、年齢が気になって一歩踏み出せないでいる人って、実はすべての世代で大勢います。
実は、40代の方が意外に思うかもしれませんが、20代の方は経験やキャリアが十分でない状態での転職に勇気が出ないことがあり、50代の方は豊富な経験やキャリアがあるにもかかわらず、年齢が原因で転職に踏み出せないことがあります。
この記事では、年齢が転職の武器にも障害になる場合もあることを解説します。
これまで日系や外資系企業に何度も転職し、現在も日系企業で採用の責任者として各年代の候補者と面談している私が、各年代に応じた最適な転職戦略をご紹介します。
そして、年齢が転職の壁になっている方に対して解決法を提案し、理想のキャリアを実現するためのお手伝いをします。
この記事を読み終わると、自分の年代に合った転職の進め方が明確になります。新しい職場で自信を持って一歩を踏み出すための具体的な方法を身につけましょう。そして、年齢よりも将来の可能性やこれまでのスキルや経験を活かして転職を成功させましょう。
実際のところ転職は何歳まで可能か?

ここ数年で退職年齢を65歳まで引き上げる企業も増えており、転職に対する考え方が大きく変化しています。
少し前までは「転職は45歳まで」と言われていましたが、最近では年齢に関係なく転職は可能です。 むしろ、50代、60代で転職をする人が増えています。
私の会社では60歳で他社を定年した人材を正社員として採用しました。
しかし、年齢とともに求められるスキルや経験は変化するため、年齢に応じた戦略的な転職活動が重要です。
誤解:年齢制限は法律上存在しない
日本の法律では、年齢を理由とした不当な差別は明確に禁止されています。つまり、企業が採用において年齢のみで判断することは違法となります気になる方は厚生労働省のこちらのページをご参考にしてください。
例えば「30歳以下」といった年齢制限を設ける企業の募集活動は、年齢差別に該当する可能性が高く違法とされます。そのため、若手を採用したい企業の場合は以下のような表現が使われます。
若年層を想定した募集で使われる表現
新卒や第二新卒歓迎
キャリア初期段階の応募者
ダイナミックな環境での仕事
バイタリティのある方
年齢に言及しなくても、募集要項に若年層を想定した文言を入れることで、実施的に40代以上の応募を制限をしています。逆に「業界経験10年以上」「経験豊富な方求む」などの表現では20代の応募を制限しています。
日本の法律では年齢を理由に採用を差別することが禁止されてますが、現実には一定の年齢制限が存在するのが現状です。
現実:年齢は応募書類の「最初の関門」
多くの企業は、求職者の年齢を応募書類の選考基準の一つとしています。例えば、業界も会社の売上も安定しているような企業では、会社内の社員の年齢構成を重視して、若手の採用に注力する場合があります。一方で、専門的能力や特定の業務の経験値が必要な企業では、年齢に関係なく優秀な人材の採用に注力します。
そのため、自分のスキルや経験と企業側の募集要項とが上手くマッチする企業への応募が重要になります。
年齢が転職の壁になるわけではなく年齢に応じた強みをアピールすることが重要です。
年齢や経験を生かして転職を成功させるパターンとしては、以下のような応募者と企業側のニーズがマッチする必要があります。
- 20代で3年間のアナリスト経験 → 日系の戦略ジュニア・コンサルタントへキャリアアップ
- 30代で複数業界で人事経験10年 → 複数の事業を展開する上場上大企業の人事担当へ転職
- 50代でITスキルや英語力が高い → 外資系企業のIT部門の責任者へキャリアアップ
①の例では、募集要項にジュニア・コンサルタントとは表記されず、「バイタリティーのある人を求む」のような記載があり、若年層を想定しているのに、40代の人が応募しても書類審査に通ることがありません。
転職者の平均年齢は上昇傾向
転職者の平均年齢は、毎年すこしずつ上昇する傾向にあります。
転職エージェントのdodaの調査によると調査によると、転職成功者の平均年齢は32.4歳です。女性平均年齢は30.8歳、男性は33.3歳となっています。
40代以上の方からすると転職者の平均年齢が思ったよりも低く感じるかもしれません。それは、dodaは幅広い年齢層の転職希望者を支援していますが、他社比較では相対的に若年層の案件が多いためです。
出所:doda by PERSOL
実際には、40代以上の転職機会も増加しています。政府による中高年の再就職支援策が整備されたことや、シルバー人材センターの充実、雇用保険の支給期間の延長など中高年層の転職環境が充実してきました。
そのため、40代や50代での転職やキャリアチェンジを図る例が目立ってきています。しかし、企業の約半数は現時点でも45歳以上の採用に否定的な傾向にあるため、年齢が上がるほど就職は難しくなります。
厚生労働書の調査では、各年齢層別の相対比較では20代前半は転職が有利に進みます。しかし、それ以外の年齢層では会社を辞める人と転職で新しく職に就く人の比率は大きくは変わりません。
下記のグラフは男性のデータですが、50代の転職成功率は50~54歳の男性で5.1%、55~59歳では男性で6.0%となっています。同様に50~54歳の女性で10.0%、55~59歳で7.8%という数値になってます。
年齢階級別入職率・離職率(令和3年(2021)・男)
注記:「入(離)職率」とは、常用労働者数に対する入(離)職者数の割合
厚生労働省の調査「令和3年雇用動向調査結果の概要」
20代・30代・40代・50代の年代別の転職戦略

各年代に応じた転職戦略は、その人のキャリアや生活状況に大きく影響します。
20代は新しいことに挑戦する最適な時期、30代はキャリアアップかキャリアチェンジを選択するタイミング、40代はマネジメント経験または専門スキルを深める方向性、50代は経験と人脈を活かす段階に分かれます。
では、各年代ごとに適した転職戦略を掘り下げていきましょう。
20代:可能性は無限大! 挑戦と成長の時期
20代の転職は、キャリアの基盤を作る貴重な時期です。20代はリスクをとる余地があるので自分が興味のある業界や職種に挑戦するチャンスです。
たとえば、新しい技術を学びたい、国際的な経験を積みたい、スタートアップで働いてみたいといった願望がある場合、この時期に行動に移しましょう。
【20代が取るべき戦略】
スキル習得:英語、AI、プログラミングなど需要の高いスキルを身につける。
海外経験:ワーキングホリデーなどを利用して、海外での職務経験を積む。
業界を問わない挑戦:自分の興味のある業種に挑戦し、自分に合った職種を見つける。
20代は失敗を恐れることなく、様々な経験から学ぶことが重要です。若い頃に得た経験は、その後のキャリアにおいて大きな財産となるのです。
この時期は失敗を成長の機会ととらえ、新しいことに果敢に挑戦し、自分自身を広げていくことが、将来の成功につながります。20代で得た経験は、キャリアを形成する上で非常に価値があるものとなります。
30代:キャリアアップかキャリアチェンジを選択
30代で転職を検討する場合は、スキル、経験、ライフプラン、収入などを総合的に勘案する必要があります。
30代では、20代で培った経験やスキルを基に、さらなるキャリアアップを図るか、全く新しい分野への転職を考える時期です。プロフェッショナルとしての地位を固めたいなら、専門分野を深め、高い技術力や管理能力を身に付けることが重要です。
【30代が考慮すべきポイント】
専門性の強化: 現在の業界で専門技術を磨き、プロフェッショナルとしての地位を確立する。
職位の昇進: マネジメント職への昇進を目指し、リーダーシップを発揮する。
キャリアチェンジ: 全く異なる業界への挑戦。全く新しい分野で新たなキャリアを築く。
30代になると私生活面でも変化が訪れ、安定を求める人が増えます。一方で、思い描くキャリアプランを実現するため、勇気を持って新しい挑戦に踏み出す人もいます。
40代:マネジメント経験の活用かスキルの深堀を選択
40代になると、これまでのキャリアを見直し、残りのキャリアプランを見直す時期を迎えます。
マネジメント経験が豊富であれば、それを活かしてリーダー職を目指すのがスマートな選択肢です。一方、特定の専門領域に秀でている人は、専門家としての地位を確立することも検討できます。
【40代に必要な戦略的アプローチ】
高位の職位への挑戦:経営層や上級管理職としてのキャリアを目指します。
専門技術の精緻化:特定分野での専門家としての位置づけを強化します。
40代転職は、キャリアアップと人生の充実を両立できるチャンスです。自身の経験とスキルを活かし、戦略的に行動することで、理想のキャリアを築き上げることが可能です。
50代:豊富な経験と人脈を活用し活躍の場を拡大
50代は人生の折り返し地点であり、新たなステージへと踏み出すことが可能です。
50代は自分が持つスキル、経験、人脈を明確にし、それを組み合わせて方向性を決定することが重要です。
50代での転職はもちろん可能ですが、成功するためには以下のポイントがあります。
- 転職先企業が求めることを考える: 求められるスキルや経験を理解し転職活動を行う。
- 待遇や会社の規模にこだわらない: 自身の経歴に固執せず新しい職場環境に適応する姿勢を示す。
- ターゲットを絞る: 自分の強みや経験を活かせる職種や業界に絞って転職活動を行う。
- 人脈を活かす:これまでのキャリアで培ってきた人脈を転職活動に活かす。
- 熱意と意欲を伝える: 年齢に関係なく、仕事に対する熱意と意欲を積極的に伝える。
50代は、キャリアの集大成を見据える大切な時期です。これまで培った豊富な経験と人脈を最大限に活用し、自らの可能性を最後まで追求する努力が重要になります。
経済的に余裕がある場合は、アドバイザーや起業家、セカンドキャリアの確立など、自身のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を選ぶことができます。
年齢に応じた最適な転職エージェントを活用

転職活動において転職エージェントを賢く利用することは大きな助けとなります。しかし、エージェントによってサービス内容や強みが異なるため、自分に合ったエージェントを選ぶことが重要です。
複数の転職エージェントに登録し豊富な求人情報を収集
転職エージェントには様々な特色があり、それぞれ得意な業界や職種が異なります。
大手の総合エージェントでは幅広い求人情報が得られる一方、ITやファイナンスなど特定分野に特化した専門エージェントも存在します。
複数の転職エージェントに登録することで、自分の希望に沿った求人情報を漏れなく入手できます。
ITエンジニア向けの求人が得意なエージェントと、金融業界に強いエージェントに登録すれば、両方の分野の最新求人を確実に把握できるでしょう。
複数のキャリアコンサルタントからアドバイスを受けられるメリットもあります。転職活動を成功させるためにカウンセリングの内容や人柄など相性の合うコンサルタントからサポートを受けましょう。
転職エージェントのサービスをフル活用する
転職エージェントが提供するのは、単なる求人情報の提供にとどまりません。転職活動の要となる様々なサポートサービスが用意されているのです。
経験豊富なキャリアコンサルタントによる自己分析とキャリア設計のアドバイスです。長所や適性を的確に見立ててくれるため、自分に合った志望動機や職種の絞り込みが可能になります。
履歴書や職務経歴書の書き方から、面接の受け答えに至るまで、書類選考・面接対策で徹底的にブラッシュアップしてくれます。一般には公開されない非公開求人情報にもアクセスできるため、高待遇の求人を見つけられるチャンスも広がります。
このように、転職エージェントの充実のサポートサービスを最大限活用することで、自信を持って転職活動に臨め、内定を勝ち取る確率が飛躍的に高まるのです。
まとめ:転職は何歳まで

転職は、年齢に関わらず可能ですが、戦略的な転職活動が必要です。
かつては45歳が転職の上限と思われていましたが、今日では65歳定年制を導入している企業が増えており、50代や60代での転職も珍しくありません。
日本の法律では年齢に基づく不当な差別を禁止していますが、現実には年齢が求職活動の初期段階での障壁になることがあります。
それぞれの年代やキャリアに応じた転職エージェントの選定と活用が成功への鍵となります。重要なのは、自身の経験やスキルと年齢を総合的に勘案して転職活動をすることです。